July 6, 2004

タイラー・ハミルトン [Tour]

「そしてツールは始まった!」[3 July 2004 VeloNews RiderDiariesより 原文はこちら]

リエージュにて
正式にレースが始まって良かった。ツールが始まるまでの日々はいつもこんな混乱状態みたいだ。もう止められない。いつもどこかで誰かと話している。本当に休憩したい時にその時間を確保するのに大忙しなペースだ。これからの長い3週間を過ごすにあたり、そのバランスを維持するのが一番重要なことだ。

チームでは火曜の朝(*6/30)に少し早めに集まってチームタイムトライアルのコースの後半を一緒に下見した。いつものことだが選手たちが走る順番を計算するのは少々難題だ。だから実際のコースを走っている間に、ちょっとしたことでも和を整えるチャンスを持てて良かった。

自分たちは午後を、2つのかなり重要なパーヴェ(*石畳)の盛り込まれた第3ステージの下見にも費やした。石畳はたったの2,3kmしかないが、かなり困難だ。トレーニングで乗っただけでも、そこら中でバウンドしている自分のバイクのハンドルをとられないようにしっかり握っていだけで、手にマメを作るには十分だ。誰もが本当のレースが始まるのはツールの後半からだと話しているけれども、そこにたどりつく前に越えなければならないハードルはたくさんあるだろう。

今日のプロローグのコースはホットケーキのように平坦だった。プロローグについては、必ずしも僕がスペシャリストとは限らない。もう少しテクニカルだったり少し登りがあったりする方がいいみたい。(*プロローグでは)長いストレートをより速く走れるだろうと、長めのクランクを試してみた、が、振り返ってみると、犠牲が大きかったかもしれない。Top10に残る方が良かったけれども、追求した結果だし、Top20以内で満足している。レースはまだ長い、だから今日失った数秒のことは自分を懲らしめるほどのことではない。

今日のレースでは新しいタイムトライアル用のバイクで走ることができた。BMCから新しくデザインされたフレームで、このメーカーはF1のチームとも仕事をしていて、スイスににあるカーボンファイバーのカスタムメイドのメーカーだ。ステムの必要をなくして統一されたフォークのデザインがこのフレームの特徴だ。だから見た目も感じもかなり違う。今まで乗った中で最もエアロダイナミックなTTバイクだ。

愛犬タグボートに代わって、彼の病気に際してお見舞いのメールなどをもらったことに感謝の意を述べたい。先週始め内視鏡の検査により複数の胃潰瘍ができていることがわかったこの潰瘍は、彼が受けていた薬物治療のアレルギー反応としてできたものだった。まだ毎日獣医のところへ治療に通っているが、ツールのピレネーステージの頃には十分良くなっているだろう。

Stive Vermautのご家族、友人に哀悼の意を表したい。StiveはUS Postal時代にチームメイトだった。一緒にレースをしたすばらしい思い出がある。2000年のドーフィネ・リベレでは僕のサポートをしてくれた。その年の総合優勝に大きく貢献してくれた。どんなに大変なレースだったか、そしてそのレースでどれだけ僕をサポートをしてくれたかは決して忘れない。彼はとても才能のある選手で、遺伝性の心臓病がなければ偉大なことを成し遂げていたことは確かだっただろうと思う。彼のキャリアと人生が閉じるにはあまりにも早かった。

第2ステージが終わったらまた戻ります。
読んでくれてありがとう。

投稿者 akemi : July 6, 2004 6:06 PM | トラックバック